新潮社
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成功者には共通点がある?!
大いに学び、考えさせられた
アメリカの日のあたる場所
興味深いが、少しくどい
ゴールドラッシュから学ぶIT産業の歩き方
最近、シリコンバレーについて色々と勉強をしているなかで、たどり着いた書籍です。どうやら、「ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル」を新書にしたというのをあとがきを読んで知ったのですが、明らかに前者のタイトルの方が適切です。 この書籍はゴールドラッシュ、シリコンバレー、そしてその歴史をつなぐスタンフォード大学のドットのように散らばっていた出来事が時系列に、そして因果関係にもとづいて分かりやすく整理されています。(さすが、整理学の野口さん)
ゴールドラッシュは、金が発掘されて大金持ちが生まれたという陳腐なイメージしか持っていないのでしたが、実際にはそんなことはありませんでした。
1949年のカリフォルニアのゴールドラッシュの成功者は金を掘ろうとした人ではなく、金を掘りにきあひとを相手に商売をした人である。Mining the gold miners(金採掘者を掘ること)こそが、ゴールドラッシュの成功の法則であった。
既にamazonのレビューなどでいたるところで書かれています。ゴールドラッシュでは「皆と同じようなことをするのではなく、皆が望んでいることに対応した」人々が、結果として巨額の富を得ていました。巨額な富を築いたのは、ツルハシやシャベル、丈夫なズボン(=現リーバイス社)、送金サービスや移動手段などを提供した人など金を採りに行った人のニーズに合わせてビジネスをした人たちです。一方で、金を一番最初に見つけたといわれている農場主ジョン・サッターは事業に失敗しています。その失敗要因として、
・過去のビジネス(農業)に縛られてしまって、新しい可能性に対して臨機応変に動けなかったこと
・情報をオープンにして設け方を考えるのではなく、金を見つからないように隠そうとした
の2点が指摘されています。情報を囲い込もうとした失敗談は、IT革命時に有料サイトを設けた情報商社型のビジネスが失敗し、情報をオープンにして検索型にし、情報ではなく広告費でビジネスをしようとした点と共通していると言及しています。
ゴールドラッシュから西海岸の歴史がはじまり→大陸横断鉄道(big fourたちの活躍)→スタンフォード大学設立→HPなどスタンフォード大学からITがはじまる(スタンフォードの教授がエンジェル投資家となる)→その他、IT企業が続々出現(一方、消滅)→IT革命、という西海岸で起こっていた150年という短い歴史、しかし濃密な歴史を理解することが出来ます。
・ゴールドラッシュとは何が起こり、誰が巨額の富を得ているのか
・スタンフォード大学を設立したリーランド・スタンフォード氏は何者なのか?設立経緯は?そして、その巨額の富をどのようにして得たのか(鉄道王としては 何となく知っていたのですが、実際に鉄道の運賃で成功したのではなく鉄道が敷かれた時点で既に巨額の利益を出していたという術が理解できます)
・スタンフォード大学周辺でなぜITが誕生したのか。また、その成功したベンチャー、失敗したベンチャーは何が違ったのか。(東海岸の大学と差別化を図るための大学の建物や学部のポジショニングをうまくしています)
このようなことに興味が持てる人は一読する価値がある書籍だと思います。
余談になりますが、この書籍にゴールドラッシュにたどり着いた日本人として「ジョン万次郎」が出てきます。ペリー来航の際の通訳となり坂本龍馬にも大きな影響を与えている彼の存在は、日本開国に大きく影響を与えています。ゴールドラッシュのタイミングが異なれば、日本の歴史は大きく変わっていたのかという気がします。
しかしながら、本書の中にapple社が一切どこにも出てこなかったのはなんでなのかなぁというのが個人的には疑問でした。



