9月は、四国[4ー8日]、上海[13-17日]、沖縄[19-23日]とハードに飛び回っていました。上海のことをまとめようと思っていてなかなかまとめることが出来ませんでしたので少し、まとめてみたいと思います。
13日
夕方到着
夜 □上海雑技団(雲峰劇院)を見学

14日
午前 ■仙頭さん(三井住友銀行 中国統括部)と観光と面談
午後 ■三田村さん(e-Agency 取締役)と昼食後、面談
夜 ■林さん(SHIMANO)と夕食

15日
午前 □外灘&豫園 観光
午後 □新天地 観光
午後 ■王さん(PAOS NET上海首席)と面談
夜 ■染川さん(リクルート 上海)とお会いし、後輩の結婚式に何故か急遽参加

16日
午前 ■葛島さん(野村総研 上海)と面談
午後 ■江口さん(YEL CONSULTING 董事 总经理)と面談
午後 □上海環球金融中心に行くも閉園で、金茂大厦タワーに行く
午後 □上海科技館駅地下街のフェイクマーケット
夜 □グランドハイアット87Fの”CLOUD 9“で乾杯

17日
午前 出国
[□:観光、■:面談]
合計で7名もの方にお時間をつくっていただきお話を聞く事ができました。泥臭く営業能力が高そうな方、物腰が低い方、一緒に働きたいなと思う方、自分に近いオーラを感じる方、勉強になりもう少し話を聞きたかった方、などなど、多様な方々で飽きずに学ぶ事が出来ました。現地で実際に学んだ事・感じた事、お話をきいて学んだ事・感じた事などを下記にまとめたいと思います。
[上海という街]
上海は、イメージしていた以上に都会ではなく、発展途上の印象でした。浦東エリアは、上海環球金融中心(上海ヒルズを)含め、高層ビルが立ち並んで確かに都会っぽく見えましたが、近くに足を運ぶとそこはまだまだ開発地帯でした。90年代は、農地であり何もなかったという話を聞くと、10-20年でよくぞ、ここまでビルを立ち並べたものだなと関心していました。しかし、豫園周辺に足をのばすと、まだまだ古い街並みが並んでいました。その街を見ていると、上海に住んでいる人たちは、格差が激しいとはいえ、この上海の発展について行けていない様にも感じました。そして、彼らは、この発展に何を感じているんでしょうか。この発展に対して、是が非か非常に気になります。
また、上海の地では、北京オリンピックよりも2010年に行われる上海万博にそなえて、警察が厳しく警備をしています。そのため、治安はよくなりつつあるとのことです。特に交通ルールを守らない中国人の交通マナーを改善しようと、警察が必死になって取り締まっているのが印象的でした。中国は歩行者優先ではなく、車優先です。赤信号でも関係なく突っ込んできます。でも、言葉を返せば、赤信号でも渡っても大丈夫ということです。ある意味、合理的なのかもしれません。
[中国人は"ツンデレ人"]
中国人は、知らない人と仲のいい人の距離がとても違うといわれています。アメリカ人の様な社交性はなく、どちらかというと、日本人に近い人種となるんだと思います。日本人はタテマエなどがありますが中国人はそういうのが一切ないそうです。そのため、人的ネットワークを構築するのは、かなりの時間を要する人種なんだと思います。これを「中国人はツンデレだよ。仲のいい人にたいしてはデレ、全く知らない人に対してはツンである。」とある方はおっしゃっていて、非常にキャッチな例えだなと感じました。また、日本人よりも非常にプライドが高いため、批判等はせず「君ならできる」というのがうたい文句だとおっしゃっていました。プライドの高さは一人っ子政策で、子どもは宝物の様に育てられているからかもということです。自分が心を開き、相手に全身を見せる事で早くデレな関係を築くことがポイントだそうです。人種が違うと、必要以上に内側にも力を注がないといけないんですね。
[中国の経済事情]
中国の人民元は1元が15-16円くらいです。タクシーの初乗りは11元であり、30分乗っても1500円くらいと日本に比べたら格段に物価が安いので、ちょっと贅沢な生活をしたい人に上海はオススメ。水と空気が臭い以外は。ここ数年、地下鉄の初乗りが2元から3元にあがったり、飲み物の値段があがったり中国の物価の上昇は皆、肌で感じているみたいです。また、中国人の大卒の初任給が2500-3000元(3-4万円)が一般的。ただ、確定申告とかそういう制度がしっかりと存在しないために、他の中国人がいくら稼いでいるとかは分からいそうです。そのため、かなりの富裕層には灰色収入があるそうです。[参考] ただ、支援を必要とする貧困層も1億人と多く、2500万人は年収が日本円にして1万円に満たないそうな。。。
[日本から中国に進出するビジネス]
衣食住が整い満たされてきたところで、少しお金に余裕がある富裕層の人たちに向けて日本企業がビジネスを展開していってます。いわゆる、日本でも高度経済成長における製造業からサービス業への転換期をむかえているわけです。製造メーカーでは、車・化粧品・白物家電などが力を注いでいるみたいです。特に、お化粧はかつては関心がなかった一般中国人でも徐々に関心を持ちはじめ、オシャレというのに中国女性が目覚めてきていると言われています。また、サービス業では、リクルートのゼクシィやホットペッパーなどの進出がそれを伺えます。ちなみにリクルートは「お金の使い方を教える企業」というある方の言葉に妙に納得。それでも、まだまだサービス業は、中国企業のクライアントからお金をとるため、お金にはまだならずに苦戦しているみたいです。どの企業も長期的スパンでの先行投資の段階といったところで回収はもう少し先みたいです。
[日本から中国に進出した成功例]
Googleで「三得利」と検索すると、上海市場で何故、三得利は成功したのかというのがいくつか現れます。「三得利」という言葉は、サントリーの中国での当て字です。サントリーの成功の一つとして、「『国家』『地方』『人民』の三者がすべて利益を得る」という意味をネーミングから連想させ、庶民に親近感を持たせ祝うときに飲むビールというブランドイメージを構築したそうです。ちなみに、日本でのビールのシェアは「アサヒビール、麒麟、サントリー、サッポロ」の順で3位で15%くらいなのですが、上海市場では40%にのぼりシェアが1位だそうです。その他にも、マーケットが大衆価格向けなどにしたなどとありますが、詳しくはこちらに成功ケースとして資料があります。[PDF資料] ネーミングに特化すると、重要なのは「親近感、ビジュアル、響き、連想」この4つを満たし「創造させる世界を構築する」ことが重要だそうです。それに対し、麒麟は、「麒麟=中国の伝説上の珍獣」というイメージが中国ではできないため、イメージが作れないので中国では、うまくいっていないそうです。日本の企業が中国に進出する際に、どうしても自社は中国でも認知されているであろうという過信から入ってしまう企業が多いそうです。日本のメーカーが海外進出する際には、改めて文化にあわせて適応させたブランドを構築してあげる必要があるそうです。[参考]
[中国での広告やコンテンツビジネス]
中国では、アニメ等のコンテンツビジネスは9割は偽物でなりたっています。未だに、フェイクマーケットと
呼ばれる地下街などが多数あります。ちなみに、偽物でもどうやらランクがあるそうです。それを流通させている裏業者が個人的には非常に気になるところです。道ばたを歩いていても、観光地だと「社長、ロレックス安いよ」と話しかけられます。でも頑張れば、1/10くらいまで値段は下がります。偽物を販売している人はそこそこ他言語が多様に話せるみたいです。偽物を売るために他言語を覚えるなら、もっと別のところに力を注げば、もっとお金が稼げるのになんて思ったりしてしまいました。ちなみに、日本にニセモノブランドを持ち込むと違法になるので、お気をつけ下さい。(追記:持ち帰るのはOKだけど商業目的だとOUTみたいです)でそんな偽物市場でなりたつ中国ですが、上海の経済発展により、2015年くらいには残り1割だけでも、日本の市場と同等の大きさにふくれあがるだろうともいわれています。
ちなみに広告代理店は、先行者であり、アニメ等のコンテンツを多つ持っているADKが上海では勢力が強いみたいです。タクシーの中であったり、屋外広告(out of home media)であったり、いたるところに広告がちりばめられています。屋外広告は、日本では考えられないくらいビルの側面を全てつかったモニターなどあり、これは景観美をあまり意識しない中国だから出来るものなのじゃないかと思います。[参考]
[中国におけるネットサービス]
中国でのネットユーザは推定2億人を超え、北京と上海で50%を占めているそうです。[参考] 基本的な利用方法としては、コミュニケーション・オンラインゲーム・違法コピーなどが主だそうです。中国人にYoutubeを聞いたら知りませんでした。また、中国ではWikipediaがグレートファイアウォールで遮断されて、見れないというのが事実であったのですが、北京オリンピックを機に中国でも見れる様になりました。[参考] 今後、継続してみれるかどうかは謎です。。中国で、よく利用されているサイトをまとめてみました。
中国と言えば、baiduと言われるくらいの大きな検索サイト。googleとYahoo!に次いで世界シェア3位の検索サイト。mp3などの違法もDLできます。[参考:中国ITニュース]
そのアクティブユーザは1億人を超えていると言われています。コミュニケーションツールとしてはソーシャルネットワークサイト「51.com」などもにぎわっているそうです。
1日に1億の再生回数があるみたいです。「土豆網:tudou.com」と「56.com」の3つが動画共有の大手サイトになってます。
CtoCのサイト。オークションと小売りをするヤフオクのような感じです。[参考]
ここまでは中国の話題。下記は、お会いした人のキャリアや考え方をまとめてみました。
[キャリア論]
お会いした6人の日本人の方は、皆、そこまで昔から上海に行きたかったという願望はありませんでした。
ただ、ビジネスと一緒で常にアンテナを張り巡らせながら、その機会を狙ってアクションを起こしていたんだと思います。キャリアの80%は偶然によって支配されている中で、その偶然を必然化するためには、
「好奇心」「こだわり」「柔軟性」「楽観性」「リスクをとる」がKeyであると計画的偶発性理論にありますが、中国でお会いした方にあうと、なるほどそういうことなのか、と納得させられます。中国勤務が日本で働くよりもリスクだけど、そこで得るスキル・ネットワーク・言語などは今後にいかされてくるのだと思います。このあたりのことは、高橋俊介さんの「キャリショック」にも同様のことがまとめられています。実際に、上海に在住する日本人は企業内でも少ないので、日本から社長などの幹部が来ると一緒にご飯を食べれたりするそうです。これは、日本オフィスで働いていてはありえない機会だと言っていました。
[仕事論]
ある方は働くキャリアの選択の際に「自分がやりたいことかどうか」「他人との差別化」「最低ラインのリスク(サラリー等)」を押さえるべきだとおっしゃっていました。最初の2つは自分の中でもしっかりと分かっていたところです。働く行く上で組織における「差別化」が常に重要だと思っています。例えば、ウェブを作れる人がウェブ制作会社に行っても活躍できないけど、ウェブを作れない人の集団に行けば一躍ヒーローです。学生でも同じで「理系では文系ぶり、文系では理系ぶる」そうすると、どっちの組織からもちょっと尖って見えるということです。世の中は、大きなピラミッドの様に見えて、実はそうではなく合間合間に自分が活躍できるニッチなポジションがあり、そこを狙うことも賢く生きる方法だと思います。「最低ラインを押さえる」は、今回の旅で何人かの方に言われました。もし、今の仕事が駄目になったときに自分には他にどういう選択肢があるだろうか。ということです。他にも引く手数多であれば、駄目になったらあっちに行こうと思えるのでリスクがとれるわけです。リスクヘッジの一種だと思うのですが、これを築くには、それなりのキャリアと時間からくる信頼が必要なのでしょう。
[つながり]
人との出会いやつながりをとても大事にしているなという印象でした。ある方は、仕事をうまくやるコツは、「コネクション」がいかに強いかとおっしゃっていました。特に、仕事におけるフォーマルな出会いよりも、インフォーマルでの出会いを大切にしているみたいです。上海にいるだけで、一つの差別化ができるので、インフォーマルで出会う環境は増えるそうです。差別化は絶対に必要だなと痛感しました。会社も競合他社がいた場合、自社の強みを言えないとお客さんが増えないのと同様に、社内の一人一人と比較をしたときに、自分の得意や強みを一言で言えないといけなく、言えないなら業種を変えるか強みとなるレバレッジをつけろということです。よく、「A社のXXXXです。」ではなく、「YYYYが出来る、XXXXです。」と言うシリコンバレースタイルが梅田さんなどによって、とりあげられていますが、その1つなんだと思います。うちらのような見知らぬ学生と会ってくれたのも、このような理由なんだと思います。
また、ある方は、自分とは遠い人(異文化であったり、年齢差であったり)との時間を多くつくろうということでした。これは藤原和博さんの「『ビミョーな未来』をどう生きるか」にも「タテ(上司や部下)とヨコ(同期)だけではなく、ナナメのコミュニケーションが現代は不足している」という、同じことが書いてあったのを思い出しました。自分が常に得ている情報がいかに偏っている方が分かるということでした。中国に来ると、日本が客観的に見え出すというのはその一つだと思います。
[あとがき]
もともとは、「今の中国を見ておいた方がいいよ、これから10-20年経つと上海は必ず姿を変えているはずだよ」とベンチャーの先輩に言われたことがきっかけで、上海に旅立つ事にしました。決めてから1ヶ月、友達2人を道連れにし、紹介づたいで合計で3日間に7人の上海で働いている方にアポをとることができ、快く貴重な時間を割いてもらう事ができました。これは学生の特権であり、一社会人になってからでは、利害関係が発生し難しいんだろうと思います。全ての人に通じて言えるのは、学生のうちらに何かの参考になればというスタンスで多くのことを、無償(または、それ以上)で提供してくれたことです。逆の立場になったときに、何か話を聞いてあげたり、人を紹介できたり、するような人になれたらと思います。皆がそういうスタンスで望み続ければ、世の中に良い循環が生まれ、よくなるからね。これは、自分が逆の立場であっても同じこと。まずは、そういう人間になれることが必然です。学生の特権は「遠慮しない図々しさ」だと思ってます。あと、半年、学生になってしまったので(笑)学生というフリーパスを利用して、多くの人に話を聞きながら飛び回ろうと思います。
また、中国を理解するということは、中国人を理解することに等しいため、なんとなく分かっても、そんな簡単に分かり得る事ないことだなということも分かりました。そのためには、数年間、でじっくりと関係性を築いて行くことではじめて、中国とはどんな国なのかが分かるんだと思います。まだ、自分の中で消化しきれていなかったり、解釈できていない部分も多々あり、次のNext Actionとして何をしていこうかは考え中です。最後に、紹介して頂いた方、会って頂いた方、一緒にいってくれた岡本君と泰輔君に感謝です。87FのCLOUD 9での乾杯は記念です。

最後に1冊、週間こどもニュースのお父さんが書いた本を紹介です。この本を読めば、中国と台湾・香港・ソ連・日本・アメリカなどの関係の悪化と回復がよくわかります。また、国内の政策では、毛沢東をはじめ彼らが何をしたのか、中国は過去に何があり、どこに向かっているのかなどが分かると思います。中国を学ぶことができる教科書だと思います。
池上 彰
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